年度明けの慌しさも一段落した週末、
ぶらりと歩いて東照宮までクラス親睦会に出かければ、
満開の櫻と散りしきる椿の下から見上げる空は花曇り。
夕刻から雨という予報も半ば外れたようなので、定時退勤、
自転車で街へ。
書店で数冊を仕込んで珈琲タイム。
一週間の疲れを癒やされたような気分で帰宅途上、
繁華街を突き抜ける際に、懐かしい看板に灯がともっている。
数席空いたカウンターにてワイングラスでの地酒に刺身、雲丹等々。
グラスを持つ手が触れそうな臨席の紳士がカウンター内の亭主と話。
忙しそうな亭主に代わって話題を引き受けてしばし歓談すれば、
まるで酒井抱一のように…との話にスッと継ぎ穂が重なり、以後は
光琳・宗達ら琳派の話題やら各地の美術館・博物館について…。
障壁画から源氏物語絵巻に転じ、作中の和歌を吟じ合うも互いに記憶もあやしい。
酔いも程々の頃合いを見て先に席を立ち、
ついに名前も身分も明かさず訊かずの酒談義が終了、
又お会いすることがあれば・・・との挨拶交わして外に出ると、
週末の宵は心地よく更けているのでした。