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一頃から街中にあふれる全国チェーンのコーヒーショップの数々。 素人のアルバイトでも一定の品質が保てるようにシステム化されており、既に従来の「喫茶店」とは異なる進化を遂げつつある様子。 ジャズ喫茶やクラシック(バロック)喫茶などで本を読みレポートや手紙をしたためたり…と、あちこちの喫茶店を用途や気分に応じて移動した昔の「喫茶店文化」とは違って、いつでもどこでも同じスタイルというのも、「コンビニ文化」の安定感があるのかも。 本当に居心地の良いオアシスとしての喫茶室は勿論特別だとしても、一定時間、誰からも放っておかれる空間としては、特定個人のお店とは又違った気楽さが適度に心地よいのかもしれない・・・。 (個人商店と大型店の関係にも似ていますが、昔あった「王朝」とか「皇帝」だとかそんな大型喫茶のような猥雑さはありませんね) そんな幾つかの大手チェーンのコーヒーショップは、やはりシティーライフには欠かせない。 中でもSターバックスが日本に進出してきた時は、一種刺激的でもありました。 何よりそのネーミングに、私などはメルヴィルの『白鯨』を想起したものです。 巨大な白鯨モービー・ディックに片足を喰いちぎられたエイハブ船長は、地獄の果てまでも宿敵を追い続け、その常軌を逸した執念の渦巻きの中にピークォッド号と乗員全て(語り手のイシュマエル一人を除いて)が運命を共にするのでした。 (そういえば、10年前の初めてのプロバイダ加入はAOLだったのですが、そのプロフィール欄の私のハンドルネームは「PEQUOD」) メルヴィルのこの『白鯨』は私の観た限り二度映画化されてますが、1956年ジョン・ヒューストン監督作品では、若きグレゴリー・ペックの好演でエイハブのスタイルが印象深く子供心に刻まれました。 原作には見当たらない(と思う)のですが、幾筋も打ち込まれた銛綱に絡まれて絶命したはずのエイハブが、生き残った乗り組員たちに「手招き」する場面にはゾッとします。その映画的手法と西洋式手招きの効果は少年の眼を刻み留めるに足る見事な演出でした。 デモーニッシュな復讐心に乗員を引きずり込む船長を「理性的」に引き留めていた一等航海士スターバックは、その、死せるエイハブの手招きによって突然憑かれたように、生き残った乗員に死の突撃を命じるのでした。 この一等航海士の名前が、あの「Sターバックス」の看板を見て蘇ったのです。 そう思えば、海をあしらった人魚?のマークは、まるでオディッセウスの一行を海中に引きずり込んだセイレーンのようでもあるし・・・、或いは店内に銛でも飾ってあるのかと思われたのでした。 私の連想に冗談で応えるかのように、この店名、『白鯨』のSTARBUCKから採られたのだというもっともらしい逸話がある由。 でも、かの一等航海士がコーヒー飲んでる場面、ありましたっけ? <*1> ともかく、深い安楽椅子に埋もれて本を読んだりしていると、いずこからかエイハブの手招きとスターバックの雄たけびと、そしてバートルビーの臨界点がチラと脳裏をよぎったりも致します・・・。 実は「バートルビー症候群」について書こうと思っていたのですが、ちょっと深刻な前置きもいるので、それはいずれ又。 しかし、"MOBY DICK"という店名のバーでもあれば、何だか引きずり込まれそうですね。 エイハブ船長みたいなバーテンダーが居たりして…! ピークォッド、イシュマエル、クゥィークェッグ・・・、 ウーン、「白鯨」に関するネーミングは、みんなゾクゾクします! もちろん、一人称の語り手である放浪の青年の名を、旧約聖書の「イシュマエルの放浪」に重ねてみるとき、(絶対父権たる)エイハブ船長の名に族長エイブラハム(Abraham)との綾目が仄見えてきたりも致します…。 まあ、そのあたりは、どなたかご高察下さいませ。 <*2> <*1> 5センチの分厚さのペンギン版を繰る気はしないので、ためしに「coffee」で本文検索してみたら、5箇所(6個)ほどあるようです。 (THE LITERTATURE NETWORK) http://www.online-literature.com/melville/mobydick/ ただいずれも、一等航海士スターバックがコーヒー好きだと思わせる場面には見えませんけどネエ…? ***************** (Chapter 2) "I thought that here was the very spot for cheap lodgings, and the best of pea coffee. " (Chapter 5) "We will not speak of all Queequeg's peculiarities here; how he eschewed coffee and hot rolls, and applied his undivided attention to beefsteaks, done rare." (Chapter 81) ""Not that," said Stubb, "no, no, it's a coffee-pot, Mr. Starbuck; he's coming off to make us our coffee, is the Yarman;..." " (Chapter 99) "Hark! he's muttering- voice like an old worn-out coffee-mill. Prick ears, and listen!" (Chapter 115) "it was humorously added, that the cook had clapped a head on his largest boiler, and filled it; that the steward had plugged his spare coffee-pot and filled it; " <*2>(2007/9/21付記) AHABの名に関しては、下記「れお」氏のコメント、および「エイハブ船長と悪王アハブ」を参照。 <参照> *『白鯨』と珈琲 (続「スターバックはコーヒー好き?」)(2006/12/29) http://algos.exblog.jp/4911197 * エイハブ船長と悪王アハブ(むしろマクベス的な)(2007/09/21) http://algos.exblog.jp/6197984 * MIRAB & SOKATH even SHAKA (「スター・トレック」の啓示)(2007/01/25) http://algos.exblog.jp/5037029
by algosj
| 2006-12-17 23:53
| 映画
|
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Comments(6)
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☆a
at 2006-12-21 16:57
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私もカフェも喫茶店も大好きです。
お洒落なカフェに行けば、ちょっとだけ、オシャレに生活をしているような気分になり、レトロな喫茶店に行けば、丁寧に時間を使っている気になったりしています。 最近、マニュアル化されたチェーン店のカフェが泥棒にねらわれる事件がありましたが、やはり、接客もマニュアル化されていて、でもだからこそ、思いがけない嬉しい接客をカフェで受けると、とってもあったかい気持ちになりますね☆
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algosj at 2006-12-22 00:01
そうですね、マニュアル喫茶には「思いがけない嬉しい接客」は期待できないかも。
確かに個性と品格ある「顔」を持ったカフェ(喫茶店)は存在感があるでしょうね。 最近は少なくなってきたようですけど…。 「マニュアルカフェ」はお金の管理もマニュアル化してあるでしょうから、被害にも遭いやすいのでしょうかね? マニュアルカフェ、レトロカフェ、オシャレカフェ・・・ 色々ありますが、私は「バグダッドカフェ」も大好きです! 登場人物も良いし、BGMの「CALLING YOU」も素敵です…。
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☆a
at 2007-02-01 16:44
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本を読んでいて、いい言葉をみつけました!
解剖学者の養老孟司さんという方が言われた言葉です。 「教養とは相手の心がわかることである」 すごく感動しました! 内容と関係のないコメントですみませんm--m
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algosj at 2007-02-01 17:21
養老氏の言わんとする「心」が感動するほどにお判りになったわけですから、☆aさんの「教養」が証明されたことになりますね。
蒙古文字は縦書きオンリーです。相手の言葉にうなづきながら読むのだそうです。教養高い文字ですね! かつて、内モンゴルの数学者と文通していたことがありますが、とても格調高い美しい文字です。
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れお
at 2007-09-20 11:29
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初めて覗かせていただきました。わたしも子供時代に、じぶんのおんぼろボートにPEQUDOをへたなペンキ字でぬりたくったおぼえがあります。(恥)
そのときから30年以上が過ぎ、こっちは廃船真近なのにもかかわらず、「白鯨」にたいしては変わらぬ憧憬をもちつづけております。 さてわれらがエイハブ船長の名の由来ですが、これはイシュメルが放浪者であるのに対しアブラハムではないかとのことですが、これは同旧約書中「列王紀略上」のなかのアハブがモデルです。かなり変質的暴君で「死んだときにその血を犬がなめた」という逸話があるそうです。だから「白鯨」に父子相克ドラマをみることはできません。イシュメルにしろこのエイハブにしろクイーケッグにしろいずれも反聖書的、反キリスト教的な人物たちがいわば踊り狂うようなこのとてつもないドラマが、その後のアメリカのハチャメチャな躍進ぶりを予兆していたようで興味が尽きません。
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algosj at 2007-09-21 01:47
れおさん、ご教示有り難うございます。
ペンキ文字のピークォッド号は無事進水したのでしょうか…? コメントの返事を記したら長すぎてはねられましたので、新しい頁に書かせて頂きました(→9/21) 今後もご教示頂ければ幸いです。
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