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借りてきたレンタルDVDも観る暇なくそのまま返してしまうことも多い昨今、数本楽しんだシリーズがあります。 映画『スター・ウォーズ』のヒットにも負けず劣らず根強いファンを持つ『スター・トレック』、調べてみたら5期に亘って以下のシリーズを堂々連ねるアメリカのご長寿番組でした。(更にアニメ版あり劇場版あり…) 因みに両シリーズは各々、SW(スターウォーズ)派とST(スタートレック)派に分かれた圧倒的(且つ相互不可侵的)なファン層を形成しているらしいです。 STAR TREK: 【1】THE ORIGINAL SERIES 1966-1969 (略称TOS 邦題「宇宙大作戦」) 【2】THE NEXT GENERATION 1987-1994 (略称TNG 邦題「新スタートレック」) 【3】DEEP SPACE NINE 1993-1999 (略称DS9 邦題「ディープ・スペース・ナイン」) 【4】VOYAGER 1995-2001 (略称VGR 邦題「ヴォイジャー」) 【5】ENTERPRISE 2001-2005 (略称ENT 邦題「エンタープライズ」) 今回は各シリーズをざっとほぼ一本(各巻3~4作)ずつ眺めたのですが、Leonard Nimoy演ずるTOSのミスター・スポックは、これぞ「ミスター・スタートレック」というほどに存在感濃厚で、少年時にTVで見たモノクロ画面が髣髴とするのでした。 又、これまた存在感漂うTNGのジャン=リュック・ピカード艦長を演じたPatrick Stewartは、コッポラ製作総指揮による98年版『白鯨』のエイハブ船長にも起用されてました。 ただし、これだけは、ピカード艦長、あなたの出番ではなかったと私には思われました。先のジョン・ヒューストン56年版に敬意を表してグレゴリー・ペックをオーソン・ウェルズ扮した神父に登用したのはまあ正解だったにしても、あなたは本来、各部署を守る知的クルーを統括する冷静な艦長ではなかったですか。 それが、個人の情念で自らとクルーと船主のものであるピークォッド号を海の藻屑に帰したあの魔人エイハブは、貴方には似合わない。 素晴らしい発声も表情も、明るすぎるライトに全く浮いてむしろ滑稽でした。 顔面に描かれた傷も、丸々と肥えたクィークエッグの刺青同様、子供の絵具細工でした。残念です。 所を得ずして自分を演ずるとき、人は道化と化すしかない…と思われたのでした。 ヒューストン版との比較のために求めたビデオですが、処分したいです。 しかし、TOSで「船長(Captain)」と呼ばれてたのが、TNGになると「艦長(Sir)」と呼ばれるようになったのかな? そもそも、この呼称は船の大きさなのか、組織のスタイルによるのか、はたまた、戦闘態勢を取りうる軍事組織としての中央政府内の位置づけの問題なのか(釣り船、観光船、探査船、捕鯨船、拉致目的の特殊工作船、所属国籍の旗を堂々と掲げて軍事行動が取れる戦艦…etc)、全シリーズ通して確認された方いらっしゃれば教えて下さい。 そう言えばどこかの大学でも、それまでの「学長」を「総長」にした方がおられたようですが…。 (その昔、東映ヤクザ映画に『総長賭博』というのがあって、耳にしたとき、早朝にやる賭博かと思いましたよ…!) さて、せっかく見た中から忘れないうちに(かなり忘れたかも)少しご紹介。 正確に知りたい方は便利サイト( http://www.trekwars.com/ )をご参照下さい。 全5シリーズのオープニングや登場人物・各作品が紹介されてます。 さて、TOSからは「SPACE SEED(宇宙の帝王)」(第15話) 宇宙を漂う旧型の船に眠っていたカーンは、悪の権化たる魅力濃厚の超人類。 エンタープライズ号を乗っ取ろうとするも捕縛され、ついには流刑の星に降りることを許されて、毅然として去って行きます。 カーク船長との粋な会話が最後を飾るのですが、これはミルトンの『PARADISE LOST(失楽園)』の一節でした。 「一敗地にまみれたからとて、それが何であろう」と呟く堕天使ルシファーのエネルギーは"A world to win, an empire to build(勝ち取るべき世界、打ち立てるべき帝国)"を求めてやみません。 天界でそれが得られなければ、地の底にまで降り立つというわけです。 ENTERPRIZE号を我が物に出来なかったカーンは、胸を張って流刑地に赴きます。 「Better to reign in Hell, than serve in Heaven(天国で仕えるくらいなら地獄で支配する方がましだ)」というのでした。 もう一つ、TNGから「謎のタマリアン星人(Darmok)」(第102話) このTNGシリーズは、パトリック・ステュワートのピカード艦長が統括する舞台ですが、これまでの医療担当に加えて「カウンセラー」が常駐するのが、時代の流れを感じさせるところです。 又、セミレギュラーとしてウーピー・ゴールドバークがバーテンダーとして登場するのが面白いところ。勿論、少女時代にTOSの黒人通信士官ウフラを見て将来に夢を抱いたという有名なエピソードからすれば、納得できる登場でしょうね。(自分で希望しての出演とか?) さて、どういうわけか、どんな星の生命体とも英語で会話が成立するという設定の(言語変換している想定なのでしょうが。それにしては口の開き方が英語のままです)アメリカの「スター・トレック(宇宙探査)」ではあるのですが、今回の「タマリアン星人」については、有能なオペレーション担当アンドロイドのデータ(DATA)も、遭遇した彼らの使用言語について首をかしげます。 「Darmok and Jalad at Tanagra(タナグラのダーモックとジラード)」といった感じで、 場所と名前だろうか…という程度しか判らない。 おそらく比喩(メタファー)で喋っているのではないかという推測のもと、結局、第三者のエイリアンの登場で共闘関係のさなかに、やっとピカード艦長は意志の疎通を得るのです。 丁度、「バルコニーにおけるジュリエットとロミオ」という表現が「ロマンス」を意味するものだとしても、相手が「バルコニー」や「ロミオ・ジュリエット」が何であるのか判らない場合には意味をなさないわけです。 タマリアン星人が使っていたメタファー表現は、彼らの神話に基づく(タナグラの地で英雄ダーモックとジラードが…云々という)ストーリーを知らなければ、通用しないメタファーの体系だったのです。 しかし、疑問に思うのは、それらの神話メタファーに使われた個々の名前の人物が元の神話の中でどのように活躍したかという話の詳細が、まず言葉の体系としてきちんとあったのでしょうから、既にその詳細を失い(或いは放棄し)、メタファーだけでしか話せないタナグラ星人の言葉のシステムは、果たして進化したのか、退化したのか…、問われるところだと思います。 高度な機械を作り操作し、スタッフと同じ空間に寝起きして日常生活を共にし、宇宙空間を正確に飛んで他の星の住人と交流・戦闘するには、緻密な他者理解に基づく戦略がなければ成立しないはずです。 タマリアンの船長は、この「タロットカード」的メタファー言語を振りかざして畳み掛けるのみで、ピカード船長らを困惑させていることに何ら反省も工夫も施されない点、既にタマリアンの側の異種間コミュニケーション能力は退化していると思わざるを得ませんでした。 例え過去に豊富な神話や優れた文化の体系を持っていたとしても、既に自ら解読できなくなってしまった部族・民族がどれほど多いことでしょう…。 自分達で解読できず、むしろ他者に自らの文化の解読を委ねる… 民族にも個人にも起こりうることだと思われました。 私たちの言語コミュニケーションも又、異国語での会話のみならず母国語同士でも、一人一人が抱えた個々の体験を背景にした「メタファー言語」によるのではないだろうか…、などと思わせる作品でした。 次に掲げるのは、この作品を見ながらのメモの一部です。 スタートレッキアンの言語担当部とかあれば、「タマリアン星人における神話メタファーとその言語システム」とかいう本でも出版されていませんかねェ…。 詳しい方いらっしゃれば教えて下さい。 Temba:His arms wide.(友好・協力) Shaka: When the wall falls.(失敗・困難な状況) Mirab: His sails unfurled.(帆を張る、進行する) Uzani:His army with fist open(戦略的に距離を取る) :with fist closed(攻撃) Sokath:His eyes uncovered(眼が開く、理解する) たとえば「MIRAB, SOKATH & TEMBA, even SHAKA.」というフレーズを作ってみるとして、これは充分に一つの啓示のような格調あるメッセージとなりそうです。 “たとえ壁崩るる難儀来たるとも 帆を張り眼を見開き 友好の手を広げつつ…” ただ、異種間の言語翻訳に関しては、ほんのちょっとした語法の違い(無理解・誤解)でも 次のように全く逆のメッセージとなってしまいます。 それがメタファー言語であれば尚更です。 自己の理想や他者への信頼とは、得てしてメタファーである場合が多いのかもしれません。 “たとえ帆を張り眼を見開き 友好の手を広ぐるも 壁は崩れ難儀の来たる…” ともかく、この子供も大人も楽しめるTV番組は、「宇宙」という空間に向けた「エンタープライズ(事業・冒険)号」の航海日誌(Captain's Log)です。 1960年代、既に宇宙時代を想定して世界探査が開始されたアメリカの(夢と希望と野望に満ちた)世界戦略が、この「スター・トレック」にも無意識のうちに秘められているようにも思えますが、台本作家が良かったのでしょうか、少なくとも初期のそれには、毎回、人間の在り方、異文化とのコミュニケーション可能性…といった根本テーマが篭められているように感じられました(ほんの数本観ただけですけどね…)。 既に皆さん仰っていることだとは思いますが、「異文化との対峙とその調和」という点では、先に述べたように既に60年代のTOSのクルーに通信士官として黒人女性が常駐していたことです。 ニシェル・ニコルズが演じたUHULA(ウフラ、ウーラ)、Lieutenant(英米海軍名称では中尉相当)という上級士官としての彼女のポジションは、やはり「スター・トレック」のファンでもあったらしいキング牧師が言うとおり「多くの黒人の子供達に夢と目標を与えた」ようです。 他にも、同じくTOSの主任パイロット、ミスター・カトウは日系ジョージ・タケイ。 更に、TNGでは盲目の黒人男性が登場します。 Lt Cmdr.ですから、少佐でしょうか、機関主任のジョルディ・ラフォージュ(Levar Burton)は、バイザーと呼ばれる視覚変換ゴーグルをかけて難なく勤めを果たしています。 ミスター・スポックはヴァルカン人とのハーフで、ああいう耳なのですが、舞台を宇宙空間に設定することで、更に更に見かけは果てしなく(ヒトの側からの)外形がデフォルメされた宇宙人が登場します。しかし、SFX未熟時代の哀しさ、被り物でしか対応できない環境のため、デフォルメが殆ど頭部に限定されているのが、時代の制約でしょうかね…。 まあ、こんな話ではキリもありませんので、「スタートレック初心者」の雑感、まずはこの辺でピリオド。 <参照> *ピークォッド号のスターバックは珈琲好きだったか? (2006/12/17) http://algos.exblog.jp/4860284 *『白鯨』と珈琲 (続「スターバックはコーヒー好き?」)(2006/12/29) http://algos.exblog.jp/4911197 *エイハブ船長と悪王アハブ(むしろマクベス的な)(2007/09/21) http://algos.exblog.jp/6197984
by algosj
| 2007-01-25 23:55
| 映画
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